一般社団法人 沼田利根医師会
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2026.09.11

令和8年熊本地震におけるJMAT活動の現況と今後に向けて~特に船舶 医療の活用について~(日本医師会松本会長会見)

会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)↓
https://youtu.be/7fXeZydlAjQ

松本吉郎会長は9月9日の定例記者会見で、令和8年熊本地震におけるJMAT(日本医師会災害医療チーム)の活動の現状を報告。その中では、国の船舶医療として初事例となった「はくおうII」におけるJMAT活動を取り上げ、「JMATによる迅速かつ手厚い対応は、船舶医療でのJMATの役割の大きさを実証することができた」などと評価した。

松本会長はまず、医療支援ニーズが収束傾向にあるため、医療救護調整本部が閉鎖されることを受け、熊本県JMAT調整本部が10日に熊本県庁から熊本県医師会に移転することを報告。また、JMAT調整八代地域本部について、避難所等の巡回で連携している日本赤十字社のチームと一層密に連絡をとるため、7日に日赤の活動拠点である八代市役所に移転したとした。

新たな動きとして、八代市医師会による避難所の巡回が7日から開始されており、JMATとの役割分担をしながら、地元の医療機関への引き継ぎを進めていく方向であるとした他、「本日朝、西文明八代市医師会長とも電話で連絡を取るなど連携している」と述べた。

さらに、今回のJMAT活動の特徴として、「はくおうII」での取り組みを挙げた。9日に「はくおうII」へのJMAT派遣が終了するとした上で、これまで派遣したチーム数は延べ26隊、隊員数は延べ97名に上ったことに言及した。

「はくおうII」の活用目的は元々、避難者への入浴・宿泊へのサービスだったものの、八代市を始めとした地域医療に被災の影響が生じている状況を踏まえ、熊本県医師会や八代市医師会の働き掛けによって、8月1日に木村敬熊本県知事から防災担当の赤間二郎内閣府特命担当大臣に対して「船舶を活用した医療の実施」の要請し、「はくおうII」での医療提供が始まったとし、2021年に成立した「災害時等における船舶を利用した医療提供体制」の整備の推進に関する法律に基づく、初めての事例になったことを強調した。

「はくおうII」における、熊本県医師会が編成した被災地JMATによる支援に関しては5日に始まったこと等に触れた上で、「『はくおうII』は国の事業と言えるが、水足秀一郎熊本県医師会長にはJMATだけでなく、事務局職員を継続的に派遣いただいた。西八代市医師会長にも地元の医療機関への調整、事務局派遣等に尽力いただいた」とし、両医師会に対して感謝の意を表明した。

この他、(1)2021年6月、議員立法によって船舶医療活用法が成立し、昨年3月には政府の推進計画が閣議決定された、(2)2021年以降、毎年、政府が実施する図上訓練及び船上の実動訓練に日本医師会の担当役員と共に、都道府県医師会と連携したJMATを派遣している―ことなどにも言及。その上で、硬直的な運用とならないように、日本医師会として「脱出船、救護船に限らない、船舶の多目的な利用」を提案してきた結果、政府の推進計画に「5.多目的利用」という文言が明記され、今回の活動にも寄与することになったとした。

「はくおうII」での活動内容に関しては、(1)住民の健康チェックを行う、(2)船内の患者を陸上の医療機関につなぐ―ことだったとした上で、「患者さんは必ずしも多くはなかったが、JMATによる迅速かつ手厚い対応は、船舶医療でのJMATの役割の大きさを実証することができた」と強調。 併せて、JMATに参加した医師のレポートでも「被災地の災害フェーズは急性期を過ぎており、被災医療機関も診療を再開している状況であったため、軽症者のプレホスピタルケアを中心に行った」「『はくおうII』の活動は、震災フェーズが急性期を過ぎた状況下における支援として有益だった」と報告されていることなども紹介。また、「はくおうII」での入浴・宿泊サービスの最終日となる9月13日には、藤原慶正常任理事が再びに現地に入り、「はくおうII」の運用終了を見届けるとした。

今回の地震については、「多数の患者が発生する一方、被災地の医療機能が大きなダメージを受けており、対応困難」という状況ではなかった一方で、「どのような災害にも様々な特色があり、対応策も異なる。大切なことは被災地の住民や患者さんの生命や健康であり、支援ニーズに柔軟に応じることができる体制づくりを今後も目指していく」と訴えた。

その上で、松本会長は「被災地に地域医療を取り戻す」ことが最終的な目標であることに改めて言及し、「だからこそ、JMAT活動も『医療が必要な方を、地元の医療機関につなぐ』ことを目指していく」と強調。「この方向性は船舶医療も同じだ」とした上で、「はくおうII」で診察を受けた患者から御礼状が届いたことに言及。「『はくおうII』のJMATの医師が、その患者さんに適した診療科の受診をご案内し、無事に地元の医療機関での治療やリハビリにつながったとお聞きしている」と述べた。

最後に、松本会長は「全国から多くの医師の皆さんにJMATとして被災地支援に当たっていただいたが、その先生方から活動の様子を写した写真や動画をお送りいただいた」と述べ、謝意を示すとともに、その一部を活用してショート動画「日本医師会災害医療チームJMATの活動―シリーズ1」を制作したことを紹介。日本医師会公式Youtubeチャンネルに掲載していることにも触れ、「ぜひ多くの方にご視聴いただき、JMATのことを知っていただきたい」と呼び掛けた。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療課 TEL:03-3946-2121(代)

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