季節性インフルエンザと新型コロナウイルス等の予防接種について(日本医師会の定例記者会見から)
日本医師会の定例記者会見の内容をお伝えします。
笹本洋一常任理事は10月2日に記者会見を行い、季節性インフルエンザと新
型コロナウイルス感染症が流行し始める冬季を迎えるに当たって、10月1日か
ら始まったワクチン接種の昨年からの変更点などについて詳説した。
まず、新型コロナウイルスワクチンの定期接種対象者については、「65歳以
上の方」「60歳から64歳までの心臓や腎臓、呼吸器の機能に障害があり身の回
りの生活を極度に制限される方」「ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能の障
害があり日常生活がほとんど不可能な方」であり、その他の方も任意接種とし
て引き続き接種が可能であると説明した上で、「重症化の予防のためにもぜひ、
接種を検討して欲しい」と呼び掛けた。
接種費用については、これまで全額が公費による負担であったが、国の助成
や自治体による独自の補助を受けた上での一部自己負担に変更となっているた
め、詳細な自己負担額については各自治体へ確認頂くよう求めた。
また、今回の新型コロナウイルスワクチンの種類については、5社のJN.1系
統対応1価ワクチンが薬事上、有効性・安全性等の評価がなされた上で承認さ
れていることを説明。「接種できるワクチンの種類は自治体や医療機関によっ
て異なるため、詳細は各自治体やかかりつけ医に問い合わせや相談をして欲し
い」とした。
その他、子宮頸がんワクチンのキャッチアップ接種について、本キャッチア
ップ制度が来年3月末で終了することから、HPVワクチンの接種を完了する
ためには、標準的なスケジュールとして1回目の接種を9月末までに済ませる
必要があるとの厚生労働省の案内を受け、日本医師会としても、子宮頸がんを
予防できる有効なワクチンとして、対象の方に接種してもらえるよう積極的に
広報してきたことを説明。
その一方で、10月以降の接種については、標準的な接種方法を取ることがで
きない場合の接種方法として、最短5カ月あるいは4カ月でも完了する接種方
法が厚労省より示されていることに言及。「自治体に接種スケジュールを確認
する必要はあるが、接種を希望する場合は、ぜひかかりつけ医などに相談して
欲しい」と述べた。
その上で、同常任理事は新型コロナウイルス感染症やインフルエンザ、子宮
頸がんなどのワクチンで予防できる病気についての正しく分かりやすい情報発
信の協力を、報道各社に対しても求めた。
◆問い合わせ先:日本医師会健康医療第2課、医療技術課 TEL:03-3946-2121
(代)